みなさんこんにちは。不動産鑑定士の池田 孝(いけだ たかし)です。
先日、私が評価をした案件での出来事をご紹介します。 住宅地図を見ると、評価対象地は一般的な市道(6m)に接しています。接している間口距離も10mありました(建築基準法上の道路に2m以上の接面が無いと建物が建てられません)。問題は無さそうだなと思いつつ、公図を見ると。
対象地と市道の間に細い筆(土地の単位を一般的に筆といいます)が介在していました。しかも、その筆には「水」の文字が。そうです。水路が介在していたのです。現地調査に行って水路があればもちろんみなさん気が付きますよね。でも公図上で水路となっているものが全て現在も水路として利用されているわけではないのですね。現在は利用が廃止されている水路もそのまま公図では水路になっていることもあります。今回は公図を調査(鑑定士は毎回必ず調査しますよ)して判明したのですが、現地調査だけでは判明しない事実も多くあります。書類の精査と合わせて現地調査が必須となります。
実務上、水路が介在している場合はどのように調査、評価をするかというと、利用が廃止されている水路であれば、払下げが可能かどうかを水路管理者に問い合わせます。払下げが難しい場合や現況利用されている水路の場合は占用使用許可の取得が可能かどうかを確認します。占用使用許可が取得できるのであれば、建物が建てられる土地になりますので大きな減価要因にはなりません(占用使用許可の取得に要する時間、費用、所有に比べ不確実性が伴うことによる減価は考慮します)が、取得が困難な土地であれば、建物建築が困難な土地ということで大幅な減価が必要になります。 書類の確認と現地の確認、どちらか一方でもおろそかにしてはいけませんね。
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水路を介して接道する土地