みなさん、おはようございます。
不動産鑑定士の池田孝(いけだたかし)です。
今回は道路について②ということで、法律による道路の種別を確認します。
不動産の評価、売買等で重要な道路に係る法律といえば、①道路法と②建築基準法があげられます(民法の囲繞地通行権の問題も重要ではありますが、レアケースでありここではとりあげません)。
①道路法(道路法の目的は「道路網の整備を図るため、道路に関して、路線の指定及び認定、管理、構造、保全、費用の負担区分等に関する事項を定め、もつて交通の発達に寄与し、公共の福祉を増進すること」である)
(道路の種類)
第三条 道路の種類は、左に掲げるものとする。
一 高速自動車国道
二 一般国道
三 都道府県道
四 市町村道
②建築基準法(建築基準法の目的は「国民の生命・健康・財産の保護のため、建築物の敷地・設備・構造・用途についてその最低基準を定めること」であり、前身は市街地建築物法である)
(道路の定義)
第四十二条 この章の規定において「道路」とは、次の各号のいずれかに該当する幅員四メートル(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、六メートル。次項及び第三項において同じ。)以上のもの(地下におけるものを除く。)をいう。
一 道路法による道路
二 都市計画法、土地区画整理法、旧住宅地造成事業に関する法律、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又は密集市街地整備法による道路
⇒所謂、開発による道路
三 都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更又は第六十八条の九第一項の規定に基づく条例の制定若しくは改正によりこの章の規定が適用されるに至つた際現に存在する道
⇒所謂、法施行前からの現存道路(既存道路)
四 道路法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又は密集市街地整備法による新設又は変更の事業計画のある道路で、二年以内にその事業が執行される予定のものとして特定行政庁が指定したもの
⇒所謂、予定道路
五 土地を建築物の敷地として利用するため、道路法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又は密集市街地整備法によらないで築造する政令で定める基準に適合する道で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの
⇒所謂、位置指定道路
2 都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更又は第六十八条の九第一項の規定に基づく条例の制定若しくは改正によりこの章の規定が適用されるに至つた際現に建築物が立ち並んでいる幅員四メートル未満の道で、特定行政庁の指定したものは、前項の規定にかかわらず、同項の道路とみなし、その中心線からの水平距離二メートル(同項の規定により指定された区域内においては、三メートル(特定行政庁が周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認める場合は、二メートル)。以下この項及び次項において同じ。)の線をその道路の境界線とみなす。ただし、当該道がその中心線からの水平距離二メートル未満で崖地、川、線路敷地その他これらに類するものに沿う場合においては、当該崖地等の道の側の境界線及びその境界線から道の側に水平距離四メートルの線をその道路の境界線とみなす。
⇒所謂、2項道路
(敷地等と道路との関係)
第四十三条 建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。
一 自動車のみの交通の用に供する道路
二 地区計画の区域(地区整備計画が定められている区域のうち都市計画法第十二条の十一の規定により建築物その他の工作物の敷地として併せて利用すべき区域として定められている区域に限る。)内の道路
2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
一 その敷地が幅員四メートル以上の道(道路に該当するものを除き、避難及び通行の安全上必要な国土交通省令で定める基準に適合するものに限る。)に二メートル以上接する建築物のうち、利用者が少数であるものとしてその用途及び規模に関し国土交通省令で定める基準に適合するもので、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの
二 その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの
⇒所謂、43条2項の空地(建築基準法の道路には該当しないため、法第43条第2項第1号の認定申請又は第2号の許可申請が必要となります)
【まとめ】
上記から読み取れることとしては、
①道路法の道路であれば、建築基準法第42条1項道路に該当する。但し、建築基準法第43条1項により高速自動車国道は除かれる。
②建築基準法第42条1項の道路は何れも幅員が4m以上の道路(建築基準法の大原則は4m以上の幅員)である。
③建築基準法施行前に現況道路であれば、所有者が私人であっても4m以上であれば、建築基準法の道路に該当する。
④建築基準法第42条2項道路は幅員が4m未満であるが、建築基準法施行前から存在し特定行政庁が指定した道路であればセットバック(道路後退)を条件に建築基準法の道路と見做される。
⑤建築基準法の道路には該当しない建築審査会の同意を得て許可される場合もある(例外)。
前回のブログの道路の取り扱いとしては、建築基準法第42条2項道路に該当(セットバック不要)することから、建物建築は可能であり、かつ、道路は私人による所有であるものの、区の管理道路であり、道路部分の利用を制限するものがないことから、新所有者にとってマイナスになる事象が認められないと判断し仲介業務を行いました。
不動産の売却、評価、相続等お悩みごとがございましたら、まずはご連絡ください。
池田不動産鑑定株式会社
代表取締役 池田 孝(いけだ たかし)
千葉県柏市南柏1-2-5 グランデ南柏504
電 話:04-7189-8951
e-mail:ikeda@i-kantei.com